Where am I ? 海外生活日記

〜now i'm in Dubai〜

やっぱりフランスは食育の国?!

つい最近、偏食する女性達をテーマにした動画を見ました。

その内容はと言うと、ジャム一瓶を毎朝食べる、ショートケーキにタバスコを大量にふりかける、唐辛子を致死量のごとく毎食使う、きなこを全ての料理にふりかける。等々、

正常な人間の味覚ではない方々ばかりでした。
精神的な側面から分析したとしても、やっぱりおかしいのです。

この味覚を日常生活の中で改善する事はほぼ不可能で、

いつか体を壊して自己嫌悪に陥ると言う正に負のスパイラル。

 

この衝撃的な映像の一方で、食育とはいったい何なのか?と改めて考えさせられた訳ですが、幼少期、だいたい3才頃までに基本的な味覚が決定すると言われているそうですが、逆に3才以上にならないと経験できない味覚もたくさんあります。

味覚のバリエーションが広い、食材の匂いに敏感、味見をするだけで一瞬にして料理のアイデアが湧いて来る。と言う特殊な食の才能を持っている人を除いては、少しだけ味覚についてのお勉強が必要かもしれません。

 

つい数週間前に、主人の勤めるカルフールで小学校1、2年の子供達を対象にした

La Semaine du Goût (味覚の一週間)と言うイベントが行われました。

フランス国内ではもう20年目を迎える、10月の恒例行事です。

日本でもこの動きがやっと昨年から始まり、フレンチシェフで有名な三國 清氏を中心に様々な方法で食育指導が行われている様です。

対象年齢がフランスよりも少し高めな事を除けば、教えている内容はほぼ変わらず、

“ 酸っぱい、しょっぱ、甘い、苦い” この味覚の基本構成になる4つを、子供達に教えて行きます。

また、別な所では、ウィンザーホテル洞爺に店を持つ三ツ星レストランのシェフ、

Michel Bras(ミシェル・ブラス)氏が、子供向けの料理教室でこの「4つの味覚」を無料で教えています。

 

さて、主人が今回子供達に実際教えた内容と言うのは、複数の野菜、果物の名前を覚えながら、先程の「4つの味覚」を実際に味わいながら学ぶと言う内容でした。

そこで彼が驚いた事は、多くの子供達がほとんどの野菜や果物の名前と味を正確に知っていた事です。これは住む地域によっても差があるのですが、田舎に住む子供達ほど、野菜の名前や味、色、形を良く知っていると言います。

詳しく言うと、

家庭菜園や農業を営んでいる家族が多い、都会にはない自然環境に特別恵まれていると言う点です。

 

日本においても、食育に熱心な先生も大勢いらっしゃいますが、社会全体の取り組みとしてはかなり後発な方だと思います。

私が小学生の頃、近所のスーパーでこの様な体験型の社会科見学はもちろんありませんでしたし、一流のシェフが学校に来て、興味深いお話をしてくれた事もありません。

外国に住んでみて、初めてこの食の教育についての違いを目の当たりにしたのですが、優れた味覚センスを持つ我々日本人が、今度は日本食材を使って自国の食文化や味覚を学び、正常な味覚、食生活ができる子供を育てる番だと思います。

 

ボジョレー、クリスマス、初もの、年末に向けて騒がしい時期にふと我に返る記事を書いてみました。    

                f:id:yoh0826:20121113200530j:plain