Where am I ? 海外生活日記

〜now i'm in Dubai〜

ヨーロッパで一番授業日数が少ない国は?

今回の記事はタイトルの通り、ヨーロッパで一番授業日数が少ないフランスの学校システムについてです。特に小学校の事について触れてみました。ではまず、我が国の年間授業日数と比べてみましょう。日本230日、オランダ220日、次いで、ルクセンブルグ、ドイツ、イタリア...の順番になります。

そしてフランスはたったの160日。(今はそれ以下かも)この差はいったい何なのかと言うと、2008年以降、ほぼ全ての学校が週休3日制になり、水曜日と土日がお休みになります。

それに加え、まとまった○○休み的な週が2ヶ月に一回はあるので、夏のバカンスとクリスマス休暇を入れると、年間たったの160日(週約27時間)しか登校しない計算になります。
ここで、日本との違いをお話すると、小中学校では給食の時間+昼休みがだいたい1時間で皆が同じ時間に同じ物を担任の先生と一緒に食べるのが基本ですが、フランスは昼休みも2時間と長いため、人によっては家に戻って食べる、学食で有料の食事をするなど様々です。
ここでもやはり個人主義が優先される環境があるわけです。個人重視で集団を軽視する傾向はイジメの率が低い根本的な要因かもしれませんね。 ちなみになぜ水曜日が休みなの?と思いませんか。
週の中日だから?
これはおそらく宗教的な理由が含まれているからだと思います。
詳しく説明すると古代ローマ、ゲルマン神話が云々と言う長い話しになるので、簡単に言うと、水曜日は「灰の水曜日」と呼ばれ、キリスト教カトリック教会をはじめとする西方教会典礼暦年のうちの一日だからです。また水曜日は斎日とされ、食事のみならず行動も律し、祈りを増やす事が求められる日とされています。日本の神道では「いみび」と読まれている日です。
そんな根本的な事が分かると、留学していたカトリック系の語学学校が水曜日は半日で終わりと言う謎も解けました。 ここで2011年~2012年のフランスの学校休暇日をまとめてみました。

新年度開始

2011年9月5日

Toussaint 休暇

2011年10月23日~11月2日(日本のお彼岸、お盆)

クリスマス休暇

2011年12月18日~2012年1月2日

冬休み

2012年2月19日~3月4日

春休み

2012年4月15日~4月29日

夏休み

2012年7月6日~9月3日

 ※この期間先生達ももちろんお休み!仕事してないな...

 次に小学校の一日をまとめてみます。
朝は8:30~11:30までしっかりお勉強。(低学年は親の送り迎えが必須)-2時間の昼休みを挟み、午後は13:30~16:30まで。(この間20分程度の休憩を挟む)昼食は、生徒も教師も家に戻って食事をするか学食のどちらかを選べる。-放課後は共働きが多いフランスらしく、学童保育が16:30~18:00まで対応している。また、登録制の有料システムで、"Etude surveillée"と呼ばれる、お迎えを待っている間に宿題や自習ができるシステムもしっかりある。フランスには学習塾が存在しないので、"Soutien Scolaire"と言って、学業について行けない子供達を週に2時間特別指導する制度があったり、ベビーシッターや時には学生の家庭教師をつける場合もあります。

共働きと離婚率が高いフランスでは、大人の都合で子供達のライフスタイルがガラリと変わる事が多々あるので、その変化に対応すべく便利と時間はお金で買うと言う合理的な手段が好まれます。土曜日が完全にお休みになったのも、共働きをする親が土曜の朝くらいはゆっくりしたいとか、離婚した両親のそれぞれの家を週末を使って行ったり来たりするのに、日曜だけでは偏りが生じるとか。

この辺りの理由は非常にフランスらしいなと感じました。学校は無償で小学校から大学まで誰もが通えますし、文具のリサイクルもあります。

給食費を毎月全員が決まった日に払う事もなければ、名札、お揃いの上履き、制服、体操着も基本的には存在しないので無駄な出費が抑えられるメリットは高いのかもれません。この様に、子供の頃から自由に物事を選択できる環境が必然的に確立されて行く訳ですが、自由とは一長一短で、日本のように必要最低限の品物が、ある時期になると自動的に両親から与えてもらえる日本の社会システムが、フランス人にとっては少し羨ましく感じるかもしれません。世界一有給休暇が長く、世界一就労時間が短いフランスで、子供達の将来はどの様に変化して行くのか、引き続き観察して行きたいと思います。