外国での妊娠・体のタイムリミットを知ること
フランスで妊娠するとまず初めに、産婦人科もしくはかかりつけの医師から血液検査の診断書をもらいます。
血液検査ではHCGホルモンの値を調べ、その結果を受けてやっと婦人科で内診を行う事ができます。
次に晴れて妊娠が認められると、医師から妊娠証明証をもらえるので、これをCAF(Caisse Allocations Familiales)に提出すると、
家族手当金の受給資格が得られます。
CAFからは出産補助(準備)金が妊娠7ヶ月目に口座振り込みされる仕組みになっています。
フランスでは、妊娠中・出産時に必要な検診代や入院費、薬代などは、保険会社がほぼ100%支払ってくれるので、出産費用に最低10万円と言われる日本とはかなりシステムが異なります。
また、私の様に例外的な手術が必要な子宮外妊娠や入院が必要な場合でも基本的には無料になります。
フランスで体外受精をする場合は?
フランスでは43歳まで体外受精(回数制限あり)は無料で行えます。日本では100%の自己負担で、助成金が年2回の15万円/回、出るものの、かなりの負担があり、挑戦する事すらままならい状況と言えます。
性に対する意識と知識の違い
フランスでは卵子老化が35歳から始まっていると言う事を認識している人が多いので、40歳を過ぎた頃から自然妊娠が難しい場合、体外受精へと切り替えるカップルも少なくない様です。
また、体外受精のタイムリミットも基本的には43歳までなので、治療を受ける条件も、男女共に検査を受け、治療を一緒に行うと言うプロセスが必要になってきます。
卵の採卵から移植まで、男性も一緒に付き添い、夫婦単位で喜びも悲しみもシェアできる点が素晴らしいと思います。
一方日本では体外受精のタイムリミットは明確には数字で示されていないと思います。フランスでは現実的な理想ラインをはっきり患者に伝えて、治療できる範囲でベストな結果を出そうと努力してくれます。
時にはオブラートに包んで欲しい様な事まで、正直に言ってくる医師も中にはいるかもしれません。
無頓着でいると困るのは自分の体と心
フランスでは性教育に関してもかなり早い段階から、有効な情報を子供達に教育している様で、女性のピル開始年齢が早いのもこの事が影響しているのではないでしょうか。
(個人の自由を象徴している様にも捕れる)
早い人は10代から飲み始めている人もいます。
日本ではここ数年間でやっとピル(避妊目的)の認可が下りたレベルですし、その普及率も3%前後で、欧米に比べるとかなり少ない数です。
尚、ピルは避妊の為だけではなく、自己の体調管理にも役立ちますし、何より定期的に婦人科を受診する理由ができます。
今、日本は世界一の不妊大国と言われています。赤ちゃんが欲しいなと望む頃、年齢はとっくに妊娠適齢期を過ぎていて、気がつけば「産婦人科なんて一回も受診した事がない」なんて言う人もいるのでは?
更に晩婚化もこれに拍車をかけ、どんどん高齢出産が増えています。私も間もなくその年齢に差し掛かろうとしています。
子供は欲しい時にいつでも妊娠できると思っていても、そうではない事もあります。
未然にトラブルを防ぐ為にも、
妊娠前から婦人科の定期検診を個人的にはおすすめしたいです。
自分の体は自分でしか守れません!