海外(フランス)で入院・手術する場合。
私事ですが、2/1に子宮外妊娠の手術をうけました。
妊娠発覚からわずか3週間、喜びから一転、妊娠のトラブルの中でも最も危険度の高い子宮外妊娠を経験する事になりました。
今回は発覚が早く、卵管を温存する腹腔鏡下手術と言う方法で妊娠組織だけを切開する手術を行いました。
幸いにも傷跡もほとんどなく、何より回復が早いので精神的なショックも少なくてすみました。
人によっては卵管が破裂するまで気がつかず、目が覚めたら病院のベッドにいたと言う事もあるようです。
こうなると心の準備も、手術方法も選べる余地がありません。
子宮外妊娠の発生率
実は子宮外妊娠の発生率は全体のわずか1%と言われています。
ですからとても稀な事なのです。
ただし、性感染症の既感染が過去にあると、この稀な数値が大幅に跳ね上がります。
産婦人科で何らかの感染症が見つかった場合でも、進行度合い、内蔵癒着があるかないか、これはお腹を開けてみるまでは誰にも分かりません。
更に、クラミジア感染などは殆ど症状が表に出ないので、何年も潜伏している場合があります。
(これが後々厄介な事になる場合があります)
前回のブログ記事にも書きましたが、晩婚化により出産年齢が延びている今、いざ子供が欲しいと思った時に、自分の体が妊娠できる状態にあるのか?がとても重要になります。
そういった厳しい現実の中でやはり産婦人科には年に一度、健康診断だと思って診察される事をおすすめします。
今はブライダルチェックと言う診察方法も存在するので、パートナーと一緒に受診される
とストレスも半減すると思います。
私がうけた腹腔鏡下手術とは?
皆さんの中にどれくらいの方が腹腔鏡下手術の存在をご存知でしょうか。
実はこの技術、1987年にフランス・リヨンから始まった画期的な手術方法なのです。
その内容は、腹腔内を細いCCDカメラを通して手術室のテレビモニター画面に映像を映し出し、外科医はその画面を診ながら細い電気メスやハサミなどの手術器具を使って手術を行います。
傷跡はお臍の下に0.5㎜、下腹部左右に1.5㎝程度のものです。
最後は吻合器でホチキス止めをして傷口を塞ぎます。
私の場合、術後の痛みは殆どなかったのですが、点滴のチューブにより動きが制御されていたのが何よりもストレスでした。
術後の様子
緊急入院から退院まではたったの3日間、あっと言う間に初めての妊娠がリセットされました。
手術後は妊娠中に放出されるHCGホルモンの値を経過観察します。
この値がいつまでも下がらないと妊娠組織が体に残っている事になります。その場合、化学療法を行い組織が完全に消滅するまで再度経過観察する必要があります。
本来は喜ぶべき妊娠が結果的に子宮外妊娠や稽留(けいりゅう)流産になったとたん、体はこの組織を排出しようとします。
それが下腹部痛や出血と言う目に見える症状で現れてきます。
妊娠のプロセスには多くの困難が潜んでいますが、逆に健康な赤ちゃんの場合、私達には計り知れないほどの生命力で元気に力強く育ってくれるはずです。
医療費の仕組み
今回3日間の入院(個部屋)でかかった費用は、
診察、手術、入院中に服用した薬代を含めて6€(600円程度)でした。
6€は3日間のネット使用料です。
尚、国保に加えMutuelle(ミチュエル)と言う民間の共済組合・相互保険に加入していると、ほぼ100%の医療費がカバーされます。
国保だけの場合は規定医療費の70%が払い戻しされます。これは日本と同様です。尚、かかりつけ医を経由しなかった場合の追加料金には、民間保険などの適応は許されていません。
病院の選び方
私が住んでいるような小さな田舎町だと、通常産婦人科では初診の患者は診てもらえません。状況にもよりますが、おそらく予約でいっぱいだからです。
この事を知らないで近所の産婦人科にいつでも診てもらえると思ったら大間違いでした。結局10キロも離れた他の病院で予約が取れたものの、一ヶ月も先で、妊娠初期の診断には不向きです。
そうこうしている内に腹痛と出血がおき、結局は40キロも離れた街まで救急外来で診察するはめになりました。こう言う時に都会の便利さを痛感するものです。
私を含めこれから妊娠を希望されている方は、念のため緊急で診てもらえる総合病院が近所にあるか、場所だけでも把握しておくと安心かもしれませんね。
その場合、自分以外にも共通の認識を持つ人がいるとさらに良いかもしれません。